運命不導体
瑞海


ここで出会ってしまったがために
空いたもう二度と塞げない穴

私たちは
元々は平行線だった
何かの拍子で
一つ重なり合ってしまった
これは神様も予想外

二人並んで歩いた雪の日は
どこからか来る南風に溶けてしまった

熱も風も光も
私たちを導くものは次第に亡くなり
虚ろになっていく私たちを
私たちは姿見で抱き合いながら毎日見ていた

満たされない
感じない

モノクロになる日々のなかで
私たちという存在が
確かであったはずなのに

強く握りしめた掌からも
暖かさも感じない

私たちはいつの間にか
神様の施した
不導体になっていた

もう来世でも
巡り会いませんように
禊を受けなきゃ



自由詩 運命不導体 Copyright 瑞海 2015-12-16 21:04:22
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