煙草の匂い
LEO

風の流れにあわせ
煙草のけむりが
めまぐるしくまわります
覚えたての匂いは
どこか懐かしく
どこか悲しく

煙草をもつ白い指
深く吸い込んでは 吐き出す仕草
背伸びしても届かない
大人のにおいがしたのに
寂しそうな顔を 思い出しました

風は 便りをどこかに忘れたのでしょう
煙草の匂いだけが
同じままに届きました

あなたの真似事
持つ癖 吐き出す仕草
わたしはあなたを忘れていました
この匂いにふれるまでは

わたしの覚えたあなたは もういない
覚えたての煙草が 目にしみます



自由詩 煙草の匂い Copyright LEO 2005-02-16 14:48:04
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