もう逢えないから 笑う
瓜田タカヤ


笑う

もう逢えないから

上昇気流に乗って、すばらしいオオカミの毛皮が舞う
運河と気体は太陽がオレンジ色に染めた

黒髪を揺らした君の太ももは堤防の上に座り
回転する渦からは10万8千色の虹が鮮やかに流れる

僕たちがライターとタバコに触る間に
様々な空間で
どれくらいのナイフがテキトーに刺さっても
気づかないで生きていけるこの世の
積乱雲のすべてに悲しみが光る零れんばかりの光源

ひゅ と
君を貫く落雷

たまってる 皮膚色の死体袋に詰まった
弾ける事のみに命を削った熱いソーセージ
白銀は おじいさんの形見の指輪を表現するためだけにある言葉
堕落と情熱すりへらし 楽しかった命を象る

花の汁のみで描かれた遺書らしき便箋は
青い香りだけがして読めない

笑う
目を瞑り許すレイプ
酸で一キロ溶けていた恋人

笑う


もう逢えないから
笑う


自由詩 もう逢えないから 笑う Copyright 瓜田タカヤ 2005-02-16 11:13:25
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