かわいそう
あるみ

かわいそうを
拙い力で摘むその指を
見守っている

指輪にしようか
髪飾りにしようか
一本、二本、3本
束にして編んでいる私は
数分後にはこのかわいそうが
無造作に捨てられることを
知っている

出来上がった指輪は
幼い指にはあまりにも大きくて
端を引っ張ったり
短く切ってみたり
試行錯誤ののち
何とか気に入ってもらえて
調子に乗って今度は
首飾りに挑戦しはじめる

でも、幼いあなたは
もうそんなことはどうでもよくて
ブランコのある方へ行きたがる
無意識に握られたかわいそうは
幼い手の中で
ぐったりうなだれて
諦めている
私はそのかわいそうを手に取り
根付いていたところへ放った

不器用な足取りで
ブランコへ向かうあなたを
慌てて追いかけながら
かわいそうを思う

人も皆同じだ
生れたところを離れて
引っ張ったり
引っ張られたり
傷つけたり
傷つけられたり
花を咲かせてみたり
うなだれてみたり
ひばりさんも歌っていたではないか
人はかわいい、かわいいものですね
輪廻


まだ届かないブランコに乗せてやり
そっと
背中を押す
怖がらないように
そうっと
広い世界へ送り出す














即興ゴルコンダ(仮)
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お題は クローバーさんです


















自由詩 かわいそう Copyright あるみ 2015-10-05 21:59:52
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