深夜
葉leaf




深夜、遠くから爆発音が聞こえる
それは濃すぎて圧力が高まった闇の暴発
あるいは居場所を失った光の散華
あるいは人間の諦念が投擲した幾つもの痛みや欲望
深夜、もはや爆発音は聞こえない

深夜、ことごとく空間が砕けて
地上の水平面へと降り注いでいる
砕けたことには複雑な理由があり
もはや解明することは原理的に不可能である
深夜、新たな空間が生成しており
この空間の新陳代謝は
世界中の全ての出来事を償っているかのようだ

深夜、全ての人間は覚醒している
意識は覚醒しなくとも身体や呼吸・無意識など
かなり忙しく目覚めている
無意識的に覚醒している人間同士の連帯から取り残されて
電灯の下にいる意識の覚醒した人間たちは
こんな夜中にはきっと神が降臨していると思っている


自由詩 深夜 Copyright 葉leaf 2015-09-16 03:59:33
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