ことばを持たない、内包する彼の人へのオマージュ
あおば

                 150912

石の上にも三年といわれ
経験を積まないうちは、現状批判的な意見は言わないように謹んできた
このたび労働者派遣法の改定で同一の職場では3年以上は働けないことなり
折角、石の上に座り続けて、温まってきたなと思ったら、また違う職場に変わらなければならなくなった。しかし、派遣先の労働組合が認めれば引き続き3年までは働けるようだが(過半数組合等への意見聴取)、そうなると、雇用者と労働組合員労働者双方にこいつは素直で使える人物だと認められなければならない。それでは果たして、生理休暇申請などは出来るだろうか、妊娠しても働き続けられるか不安だ。育児休暇も取れるだろうか。介護休暇などはもっと難しそうだ。女には安心して受胎できる年齢制限があるから、できれば体力的に余裕がある今の職場で子供を生みたい。しかし、来年で3年目が終わる。じっと我慢の子であった私は、その我慢を捨てるのは退職して無職という名の自由人になるしかないのだろうか。私の連れ合いは優しい人だが彼も派遣社員だから、育児休暇などは取得できるのだろうか。考えれば考えるほど不安になるが、おなかの中のわが子よわたしはなんとしてもお前を生んで明るく育ててみせる、そんな決意を胸に今朝も地震の後の乱れたダイヤの通勤電車の女性専用車に潜り込む。ここもいつもより混んでいて、とても座れないが、痴漢が居ないから、大声を出す必要もなく落ち着いた気持ちで居られる。

平成27年労働者派遣法の改正について(厚生労働省)
> http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html


初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、かんなさん。





自由詩 ことばを持たない、内包する彼の人へのオマージュ Copyright あおば 2015-09-12 21:15:20
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