かなしみは白い手首
ユッカ

ブレスレットなんてつくれないのに、
綺麗だからって理由でビーズを集めていた。
あのときのきもちが、まだ心のどこかに残っているせいで、
いろんな夢があきらめられないのだろう。

ニュースをつけると、しらじらしい明るさで、さまざまな情報が飛び交う。
ニュース・キャスターの声が聞きたくないから新聞を読んでいたんだった。
シャットダウン。

正直な感想を言うと、めんどくさいって言われちゃうから、とりあえず笑うけど、
あの人はほんとうに間違っていたのだろうか。

頭のなかにまだ残っているでしょう?
完成しないブレスレット、いつかつけてきてよ、って笑ってた、
あのころの白い手首。


自由詩 かなしみは白い手首 Copyright ユッカ 2015-09-09 00:28:20
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