真緑
藤鈴呼
とろけるくらいの恋なんて 知らなかった頃
人生の濃ゆさだけを 妄想しながら
飛び跳ねていた僕は 鯉のようだった?
尾ひれのついた 四方山話が 飛んで来ないかって
呼び寄せた つもりもないのに
待ち侘びて いたんだ
緑色の器に入った とっときの飲み物が欲しくて
そっと伸ばした手が 緑色に染まる
その頃は シュレックなんて うまれてなかったから
何故 そんな色の血が 流れているのか
ブルーブラッドなんて言葉に 埋もれてた
血管から流れる 液体の色ばかりを気にして
唇に まとっていれば
いつか 倖せに なれるような 気がして
何時からか 慣れてしまった 自分自身に
もう クエスチョンマークを つけることも
悔しくなって 飲みほした 液体は 真緑
流れてしまった 時間に ジャンプ
あの頃みたいに ダイブする 力なんて ないけれど
大分 時間が経過したなって
振り返ることくらいは 出来そうだから
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