午後の仕事
藤山 誠

青く高い空の中を白く密度の濃い雲が滑っていました
雲は太陽と道路に熱された空気の上に悠々と浮かんでいるのでした

熱い空気を切り裂くように少女が走っていきました
スニーカーの着地したアスファルトがまた一段と温度を上げたようでした

公園のベンチはカンカンに伸びていました
咥えたタバコがしな垂れはじめていました
そのタバコの灰がポロリと落ちて服の上で燻っているのでした

湿度が高く熱い風がもわもわと沸き立っていました
ぱさぱさと灰が崩れて中から鳥の形が現れました
その鳥は小さく一鳴きしたかとおもうと
ゆらゆらと燃えるその羽を広げ力強く飛び上がりました

また灰がポロリと落ちたので今度は指で潰すばっかりでした


自由詩 午後の仕事 Copyright 藤山 誠 2015-08-24 03:07:26
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