葉leaf




墓参りに出かけて
墓石の前にたたずむと
墓石に映った自分の姿が見える
墓石に映った世界はあの世のようで
私はあの世からこちらを見返している
あの世は墓石の暗い色で覆われ
いつまでも風が吹いている
あの世の私は亡き祖父祖母を
いつでも呼び出せそうである
そうして私は線香をあげて
墓地を後に車で帰る
墓石にはいつまでも私が映り続けていて
吹き終わることのないあの世の強い風を
身に受けながらこちらを見つめている
墓には死後の私がいて
祖先の伝承を一身に浴びている


自由詩Copyright 葉leaf 2015-08-22 14:25:32
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