※ッ※
アンテ


ガツンと言ってやればよかったのよ
笑ったメイちゃんが
大ゲンカしたことをケロっと忘れて
ジョッキを勢いよくあけて
店員の圧力で
女二人の飲み会は
予想通りぼっちで終了

駅まで続くネオン街を
大股で闊歩する
おっぱい星人だとか
ク※※ッ※だとか
下品にわめくメイちゃんが
健気で勇者で
いっしょにしか叫べないわたしは
偽物でみじめで

本当につらい時に
笑えるほど
心は都合よくできていない
そう言ってくれて
うれしかった
大事なのは
自分をだまさないこと

だから
これがわたし
受け止められる

男ってほんとバカばっか
うんうん
胸だけデカくて頭んなか腐ったやつ
百人は知ってる
うんうん
でもだからって
となりの席の舌ったらずな女たちの
トイレの会話を暴露するとか
愉快すぎる

あっもう終電ないじゃん
ゲラゲラ笑ってから
わたしの頭を抱き寄せて
メイちゃんが
髪をぐしゃぐしゃしてくれる
無いものを慰め合う

わたしの代わりに
やってくれたんだね

しょうがないなあ
ラブホ行こっか
メイちゃんの腕につかまる
通行人がこちらを見てる
フラれた理由
ホントはわかってるんだ
だからもう大丈夫
いやーちょっとそれは勘弁
って
それはどういうこと
メイちゃんが笑う
わたしも笑う

街の明かりも笑っている


「Poison」 #20
inspired by ぽわん 「シャンパンチラリズム」



自由詩 ※ッ※ Copyright アンテ 2015-08-13 00:32:46
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Poison