見つめる先
あおたん

夏の海の砂浜で
僕は灼熱に耐えかねて、防砂用の竹の柵に隠れていた
その隙間から見えた
小さな子供が
何度も足をとられながら、太陽の下、負けずに歩き回っている
高らかに声を上げ、はしゃぎながら
瞳はただ、近くで見守る母親だけを見つめているようだった

雲は一つもなく
灼熱の陽射しが容赦なく子供の背中を照らして
お前は小さい
お前は小さいと 何度も何度も
あの、恐怖の表情で、居丈高に
その子供を叱りつけている
それでも
その子供は笑顔で
懸命に歩き回っている
どんなに太陽が照りつけても
母親だけを見つめながら
子供はただ笑顔で足をとられていた


自由詩 見つめる先 Copyright あおたん 2015-08-12 10:03:11
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