陽炎
ガト

銀色に光る水しぶき
小学校の
プールが見えた

陽炎の中に
まぶしく輝く森

まるで
他人事のような
暑さの記憶

いつまでも 耳の奥に
歓声がこだましていた

一体
何年
心をさかのぼったのだろう

立ち止まる細い道に
プールはなく

ただ
懐かしい
土の匂いがしていた


自由詩 陽炎 Copyright ガト 2015-08-10 14:58:41
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