コールドスリープ
1486 106

運命なんてものには最初から期待していなかったけど
貴方と出会えたそのことだけは感謝していたのに

消えてしまうなら最初から見付けなければよかった
瞳は既に乾ききって 貰った笑顔も忘れてしまったよ

もしもずっと遠く先の未来で
もう一度貴方に会えるなら
その時が来るまでおやすみ

科学の進歩や神秘の奇跡を信じてみたいと思ったのは
振り返っても自分には何一つ出来ないと気付いたから

動かなくなった肉体が貴方そのものではなくても
寂しくないよう目印になるよう寄り添っていたい

もしもずっと遠く先の未来で
もう一度貴方に会えるなら
その時が来るまでおやすみ
誰にも邪魔されず二人で

立ち直るための生活の中でそれは不可能だと知ってしまったから
何一つ捨てずに持っていこう いつか貴方に全てを返したい

もしもずっと遠く先の未来で
もう一度貴方に会えるなら
その時が来るまでおやすみ

永い時間貴方を待ち続けて
もう二度と会えないと分かっても
覚めない夢だけを見ていたい
冷たい眠りの中で


自由詩 コールドスリープ Copyright 1486 106 2015-07-27 00:52:09
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