賢者の椅子
atsuchan69

いくらかの自負はある、
この戦いのうちで残した功績の

そこで仮面たちに地下室へ呼ばれると
――名誉の死、
――それとも賢者の椅子か? 
と、尋ねられた

よくわからない
説明してくれと言った
幹部たちは嘴のある仮面を外した
その素顔は敵そのものだった

――我々は誰と闘っていたのか? 
――それはつまり、自然発生的な壊す者たちとだ
――君の見た幻影は我々が作った
――壊す者は、大昔から我々が管理していた
――それが秩序であり、世界の秘密だ

わたしは、酷い苦みを舌に感じた
その苦味が、やがて口じゅうに溢れて
吐き出すか‥‥呑み込むかの‥‥
唯ひとつしかない死への選択を促した

わたしの心はそのとき死んだ

今では仮面をつけて
一日中、賢者の椅子に座っている








自由詩 賢者の椅子 Copyright atsuchan69 2015-07-25 10:11:16
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