夜会
ヒヤシンス


 絶望のたゆたう夜空に黄緑色の言の葉は寄り添い、
 音楽を友として今まさに昇天しようとする魂よ。
 君のその美しい羽はなんであるか。
 此岸より望む大河の流れに身を任せるのか。

 ああ、粒ぞろいの音が紫色に染まるとき、それは薔薇だ。
 君は夢うつつのまま絶望の闇に消え去ろうとしている。
 生と死の境をひらひらと漂う姿の悲しさは
 彼岸に咲き乱れる花々の誘惑を受容するのか。

 夜会の正客は貴方だ。
 匂い立つ香料も全て貴方の為のもの。
 存在価値はここにあるのだ。

 夜会もやがては幕を引き、
 満天の星空に薔薇はその吐息を漏らすのだろう。
 私は貴方の絶望に寄り添うことを誓うのだ。


自由詩 夜会 Copyright ヒヤシンス 2015-07-18 03:26:22
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