夕暮れの美容院で
番田 

私は髪を切った
地元の美容室で
彼女はもう二十五年も美容室をやっているらしい
そんな話を聞いた ひどい眠気の中で


以前は 二人 男女の従業員がいたらしいが
結婚して独立したのだという
その話をしているとき
彼女は 少しだけ寂しい顔をしていたけれど


私は 彼女が勧める世界一のシャンプーの話を聞いた
髪を切るだけ
なかなかそれだけでは商売が立ち行かないのかも知れない
そんなことをぼんやりと考えながら


この店は 今後どうなるのだろうかと 考えていた
彼女が費やした刻はお金では代えられないものかも知れない
彼女がこの地に築き上げた 信頼と実績
彼女が愛した店 そしてこの地に住む人々


自由詩 夕暮れの美容院で Copyright 番田  2015-06-28 20:01:02
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