初恋
岡村明子

白い砂浜に続く足あとが
あなたの逡巡の時間だった
五月
私とあなたが確かめ合った
ただ
それだけ

テトラポットの陰で
立小便をしていた男の子が
唯一の愛の証人であったことなど
知る由もない

風が散らした
金色の飛沫
檸檬
はじめての



自由詩 初恋 Copyright 岡村明子 2003-11-09 14:14:24
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