焚き火を囲むのは
石川和広

海に沈んだ後に
ぼくのカラダがどうなるかは
後の人が論ずることだが

はた迷惑なはなしである

地球の火かりっと
燃えている営み

太陽の光より
温泉のように湧き出してくる、海底温泉



もこここぽこ


空は、的のないカンバス
そこに描く絵の具は

なんて
みどり、白青、この、色の階調
をウシオと名づける

ウシオは、空と僕と太陽の間の
あるいは
月の
並々たる、複雑な平衡に
ひょいひょいと乗る


サーフ
僕は水死体ではない
地のはるか底の漂う流れを
感じることは
この
限られた書斎の無限の
とじられたカーテンの暁からでも

無垢をもって
汚れにおきかえられる瞬間
感じられる

むやみな理念

デスクの明かりに
それを蝋燭に見立て
絶やさば絶やせ影よ

風よ

僕は、あなたをかんぐりながら
まさぐりながら

この、崩れゆく温みを
絶やさない

そして論じても、その限界の外に、激しい風が吹いている


自由詩 焚き火を囲むのは Copyright 石川和広 2005-02-10 04:52:32
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