焚き火を囲むのは
石川和広
海に沈んだ後に
ぼくのカラダがどうなるかは
後の人が論ずることだが
はた迷惑なはなしである
地球の火かりっと
燃えている営み
太陽の光より
温泉のように湧き出してくる、海底温泉
もこここぽこ
空は、的のないカンバス
そこに描く絵の具は
青
なんて
みどり、白青、この、色の階調
をウシオと名づける
ウシオは、空と僕と太陽の間の
あるいは
月の
並々たる、複雑な平衡に
ひょいひょいと乗る
サーフ
僕は水死体ではない
地のはるか底の漂う流れを
感じることは
この
限られた書斎の無限の
とじられたカーテンの暁からでも
無垢をもって
汚れにおきかえられる瞬間
感じられる
むやみな理念
デスクの明かりに
それを蝋燭に見立て
絶やさば絶やせ影よ
風よ
僕は、あなたをかんぐりながら
まさぐりながら
この、崩れゆく温みを
絶やさない
そして論じても、その限界の外に、激しい風が吹いている
ぞ