白眼
蒼木りん

そのころの空は

むくむくと湧いた腸色だった


こころを鎌で斬られた

記憶の底に眠らせたはずの痛み

なぞればまだ

鈍く疼く気がする


体内に残る鉄片が

いつか心臓に刺さるまで

私は憎まれなければならないのか


術もなく封印した

私の過ち

お前の愚かさ


早鐘の鼓動が

胸をどくどく叩く

呼吸を困難にさせ

吐いたら死んでしまう気がした

魂までも吐き出し

気がつけば白眼

私は排水溝の汚泥の中を彷徨っている

そんな末路

そんな想像


そんなものか


そんなものか

私の生まれた訳は



あなたは

私ほど理解しない

けれど

私ほど間抜けではないようだ


私のいない集いは好かない

悪戯に持余す日々

挑発に追い込まれていく



キミ

それは良くない癖だよ



キミ

容易く人を恨んではいけないよ








未詩・独白 白眼 Copyright 蒼木りん 2005-02-09 22:02:56
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