ロコモティブ
梅昆布茶

雨上がりのそら
草原に敷かれた鉄路
長大な貨車を曳く機関車が
ゆっくりと風景をよこぎってゆく

産業革命をささえた心臓が
風景のなかで鼓動している

そんないまではめったに在り得ないシーン

やはりじぶんの鼓動に近いリズムについ共感してしまう
あなたとのリズムはどうだったのだろうか

窓のない部屋は独房のようできらいだし
窓をあけない部屋もとても冷たい

窓をあけて風をとおす
陽光が散乱した部屋を満たしたら

荷物を整理して
切符を買おうと想う

まだ機関車が在る時代に


自由詩 ロコモティブ Copyright 梅昆布茶 2015-05-27 15:28:43
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