文化村通り
梅昆布茶

渋谷文化村ミュージアムをくだって
H&Mを左に見ながら
道玄坂下へ至るあたり

雑多な国籍の若者や
清掃するおじさんや僕のような納品車

いつものスリムな店長は
つけまばっちりのかわいい小娘に惚れられて
弱っているようだが居座る彼女達の相手をしながら
納入の指示を丁寧にくれる

そんなような日常がきらいでもない

あまりに自分が濃くなったと想うとき
あえて拡散していきてきたはずなのだ

価値観の行き交う街で揺るぎないものを夢見る
たとえばロンドンやパリやイスタンブールやモスクワ
新興のニューヨークでもいいのだ

重層する民族や歴史を背景に持つ街と
較べて遜色もなく存在する東京

吉田拓郎が歌った故郷にささえられて
東京は今日も呼吸する

ひとはいきてゆく
目的はしらない
もちろんいいんだ

僕だってたいしてないのだから


自由詩 文化村通り Copyright 梅昆布茶 2015-05-28 12:20:43
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