かれら
草野春心



  かれらが、一体なにを
  言いたいのかちっともわからず
  ことばのなかにひらめく暗闇をさがした
  目を凝らして 耳を澄ませて 鼻をとがらせ



  けれども本当はかれらにも
  わかっていないのだと気付いていたから
  さようなら もう間もなく私も出かけるつもりだ
  窓をとじて かばんを持って 部屋をくらくして 
  さようなら  もうきみたちに 会うことはないと思う




自由詩 かれら Copyright 草野春心 2015-05-24 20:39:21
notebook Home 戻る