日没
はるな


街かどの女たちに
欲しがるだけ黒を与える
得るごとに欲深くなるさまは
日没のようにうつくしかった

さてわたしは
いよいよ壊し始めたこの柵の残骸を
きょうは焼場へ持っていき
そうして平らな私がわたしを迎える計画でいる
時計を持ち くつ下を履き
爪を磨き そして ひとつ飴を飲みこみ
向かった焼場で言われるのは
燃料はどうしたと

それでしかたなく身をちぎって燃やし
ちぎったところがささくれだちあたらしい柵をつくるのを
もう壊す気力はなかった



自由詩 日没 Copyright はるな 2015-05-19 20:56:00
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