ピアニシモ
やまうちあつし

だれかの中に
深い森があり
そこから時折
聞こえてくる
ピアノの旋律

たどたどしく
弱弱しいので
耳を澄まさなければ
上手く聞き取ることができない

鳥は生まれつき
歌の遺伝子を持っていて
その時が来たなら
自然と喉をひらくのだという

もしかして
人にもそれが
まさかね

見えないものを届けるために
どこからかやってきた
なんてうわさを
信じることはできますか


自由詩 ピアニシモ Copyright やまうちあつし 2015-05-07 12:07:47
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