赤い皿
草野春心
赤い皿に
老夫婦が座っている
男の穿くすててこは膝が破け
女の手に握られた琥珀色の数珠には
結び直したあとがみえる
うつむいて目を閉じ、かれらは
眠っているのだろうか 死んでいるのだろうか 祈っているのだろうか
しろい 蝶のようなものが 窓からはいってくるが かれらには留まらない
自由詩
赤い皿
Copyright
草野春心
2015-05-05 21:07:02
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