雪のとけた校庭で
ただのみきや

「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢中なの
渡したくない人 奪いたい人
私を中心に みんなもう必死
追いかけられるのは最高の気分
拍手に歓声 高らかな笛の音
それが人生 輝く毎日―― 」


なんて言わない思わない
中身は空気のカラッポ能無し
地球ほども円くって
兎みたいに跳ねたと思ったら
大砲みたいに飛んでった
泥だらけのサッカーボール


  
      《雪のとけた校庭で:2015年4月1日》







自由詩 雪のとけた校庭で Copyright ただのみきや 2015-04-01 18:34:12
notebook Home 戻る