銀河
黒木アン

田植え前のあぜ道や
魚とりする水路でも
好んだ湯浴みも
みんなアトリエ
でしたのでしょうね

日時計花壇のある木立
遠野の橋梁は銀河への旅
オリオンは高くうたい
露と霜とをおとします

〜わたくしの おはなしは 虹や月のあかりから もらってきたのです〜

とは東北の空
賢治の夢みた
理想郷


野仏があれば
手を合わせ
となりの集落へ
また歩いてゆく

人知れず
山の神も
海の神も
空の神も
知っているかのように

だれがみていても
みていなくても
うしろ指
さされますことなど
考えもせず
うらみっこなし


白髪を知らずに
世にでたことも知らずに
往生によろこび
いづれのどこかで
御仏は花園の星に

それを思えば
明日去るとしても
生ききってみたいと

もう力いれなくても
よくなった時
見るもの聞くもの
あの故郷がよみがえり

むかしむかしの
影ふみあそびに
満足した子の心にもどり
だいだい色に
染まります空に
群れをなす鳥も凪になり


そして大きく
一つ息をすいまして




未来へ残した
「雨ニモマケズ・・・」
奉仕の心
いまふたたび
銀河のように


自由詩 銀河 Copyright 黒木アン 2015-03-31 07:32:34
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