あなたの詩がきらいです
左屋百色

明日も
私をきらいな人が
たくさんいてほしいと願う夜
あなたの詩には
共感なんてできないし
空行で破裂する
思わせぶりな言葉なんて
雑すぎて
丁寧すぎて
何も生まれないし何も死なないし
私は、
あなたの詩が好きです
あなたのことはきらいです
ほとんど
クズだと思っています
あなたの詩が
今夜も
誰にも読まれないように願ってます
だから
あなたのことを好きな人が
たくさんいてほしいです
カーテンの向こうに
夜空に散らばる
死んだ人たちの名前の中に
母がいる
私に名前をつけた
母がいる
大人になりました
血がでました
安心してください
いつか必ず
私も死にます
だから安心してください
満月。
月が変わると近づきます
七階の窓から
向かいにある
一階のコンビニの光
ここまで照らす
上も下も明るい夜です
いつか
本が一冊もないような
図書館より静かな場所で死にたい
詩集を一冊だけ持って
私の名前と
あなたの言葉が
ちゃんと焼かれますように、
そしたら
ゆっくり時間をかけて
あなたの詩を最後に読みます。
私の詩には私がいない
あなたの詩はどうですか
それがすべてです
私は、
あなたの詩がきらいです
それでは
おやすみなさい、


自由詩 あなたの詩がきらいです Copyright 左屋百色 2015-03-28 18:50:09
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