孤独な月
葉leaf



全ての季節から見放され
太陽からも見放され
夜中に夜空を眺めていると
夜空に輝く三日月は広い闇の中で一人ぼっち
圧倒的な闇の大群に孤軍奮闘するまばゆい光
月よ、お前も苦しいのだろう、そして悲しいのだろう
月よ、私はお前と同じ思いだ

季節の代わりに絶望が時間を支配しているこの真夜中
私は私の孤独でもって月の孤独と惹かれあった
決して互いに助け合えない同士
決して互いに交わり合えない同士
だがこんなにも遠くの距離を隔てても
私たちはかけがえのない親友だった
月よ、戦わなくていい
泣いても砕けてもいい

月よ、いっそこの掌の上に落ちてこい
その麗しい三日月のまま静かに小さくなって落ちてくるがいい
私たちは決して何も語り合えないが
私はお前を握りしめることができる
私の拳の中で月よ、お前はもう一度生まれ変わるのだ
そして私も掌から生まれ変わるだろう
互いに、もっと愛される存在に


自由詩 孤独な月 Copyright 葉leaf 2015-03-27 06:12:09
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