カモメの瞳〜その瞳をみていたら〜より
黒木アン

帰路道すがら
すでにお姿のない
貴方から
語り足りないとでも
いうように

.....悲しみだけでなく
この町の美しい景色を見て
お帰りくださいと...

訪ねました窓からは

空の色を映しだせる
どこまでも蒼く優しい
海原がありました



いつか咲くその日には

リアスの海に
子も大人も
無邪気になって癒され

ツツジが燃えるような
朱に染まる山に
やすらぎ

ホタル舞う懐かしさに
夢を見て佇み

一本の山桜にも
陽があたりますように

窓の縁にはカモメたち

今は胸絡まる
苦難の時なれど



背中をみつめる
子の足音が

未来を見つけだす
若者が

真の幸を導く
古老方が

底知れぬ
お一人お一人のお力が

この町愛でる
笑顔と強さに


還らぬ命に

安心して
見守って下さいますように
とでも言っているのかと


自由詩 カモメの瞳〜その瞳をみていたら〜より Copyright 黒木アン 2015-03-24 08:17:48
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