モノクローム
ときたまこ

心を閉ざしてしまうことは簡単です。私はそれを何回も繰り返してきました。

世界中を敵にして、私自身が救世主になって、
この色だけは変わらないものだと心を真っ赤にして生きていました。

その時に見た桜の色はきっと灰色に近かったと思います。

通り過ぎるカップルも、花束を抱えて眠る女子高生も、杖をついて歩くご老人も

私とは違う空気をまとって、

私にはわからない言葉を話している。

表参道の道を歩いた時に気づいた違和感を私はずっと忘れないでしょう

好きな人の好きな人が自分であることは、限りなく奇跡に近いもので、私はその前段階で途方に暮れている。

たくさんの罰を自身に与えてきた。この傷と共に外に歩くのは抵抗しかない。

それでも外に出ないといけないことは知っている。私のことなんて誰も求めていないこともわかっている。

私は、私自身の心によって、外に出ようとする。殻を破ろうとしている。

数え切れない線でかき消された学生時代の思い出も、いつか笑い話にして君に教えてあげたい。

こうすることでしか生きていけなかった私は、

また間違いを犯しながら歩いていくんだろう。


自由詩 モノクローム Copyright ときたまこ 2015-03-24 02:16:07
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