雄勝石壁画in東京駅舎〜その瞳をみていたら〜より
黒木アン

雪月花を
あつめましても
わかれし人に
逢うことはできず
花時が嶺を越えても
朋(ともがら)は
儚い影
つたう涙は如月

それでも
石をしるべに
郷をいのり
健気に
心の襟を
つまみただして
くれます
里の子たちは

永い人世に
尊い心の泉が
響き合ってほしいと
明かり絵に
はにかんで
おりました


咲き始めた花のように
飛びたとうとしている
濡れ羽色のように

その筆触に
ただただ
星を仰ぎ
天地に抱かれ
安らいでほしいと
足音をとめる人々の姿が
ありました


自由詩 雄勝石壁画in東京駅舎〜その瞳をみていたら〜より Copyright 黒木アン 2015-03-22 10:34:06
notebook Home