鴉の明日
草野大悟2

おだやかな光のふりそそぐ
菜の花の河原で
また、見つけたらしい。

散らばっているものたちの中から
きまって、
青いガラスを咥え取るのは
心のなかに住みついている
あの鴉だ。

あのころの
風や雲や雪や、街や暮らしを
あさりつくして集めた青のかけらで
今、の穴を埋め、 
パズルを完成させようと。

埋めつづけた先で
明日、が
首をくくっていることなど 
はなから、
分かっているくせに。


自由詩 鴉の明日 Copyright 草野大悟2 2015-03-20 11:49:02
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