石巻漁港〜その瞳をみていたら〜より
黒木アン

辺つ風をめくり
のり干す母さんの
かっぽうぎも

沖つ春風を吹き
波を枕にする
父さんも

舟をこいだ
たちらねの意を
この地の栄え
ふたたびと

その恩恵に
静かに頭を
さげたのです


呼ばれたような
気がして
北上川に立ち寄って
みましたら
弓手(ゆんで)を
くぐらせたくなるような
大自然の舞台が
そこにもあり
カンヒザクラは
まだ咲かぬのに
春の息吹きに
喜悦の色が
見えたようです

お上殿
佐保姫殿
万緑を下さいませんか

涙をぬぐい忘れた人も
いるのですから

おてんとうさまも
みているのですから


自由詩 石巻漁港〜その瞳をみていたら〜より Copyright 黒木アン 2015-03-19 07:56:13
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