「連絡をください」
服部聖一

思えば思うほど、私たちのつながりは
うすいような 強いような ふわふわとした ものだった
何でも言える というのは とても良い関係で
一年ぶりでも いつでもあって話しの続きを始められるということだ

ふたりの関係が 時間を飛びこえる というのか
止まっている というのか
めんどくさくなったら ほっておけるというのも
ほっておいても まあいいか の関係であるということで
ほっておいても良いと 同じくらい ふざけたメールを送ってもいい関係 ということだ
おそろしく おもしろいものだな

私は 三人の多重人格の夢の中で
ひとりの妙齢の女性と
ひとりの年配の男性と
わたし自身と
三人で口論をしていて
同時に三人になりきり
女性になり 老人になり わたし自身になり
中身はほとんど覚えていないのだが 
まったくわがままなことを 相手のことをあまり考えず言い争っていて 
昼寝で三人分疲れた などという
ほんとうにあったウソのようなメールを送りつけ
これは意地悪なんだか 親切なんだか 報告なんだか わからないなぁ と思いつつ
返信がないことに ちょっと心配し

それじゃあ と 
ほんとうにウソで どこか吹っ飛んだ 超辛口でエスカレートしていくメールの中身に
ま、返信しないのが悪いんだし とか
少しくらいは笑いがとれたかな とか
百通くらい送って返信が来なかったら まとめて本にしてみようかな とか
バカげたことを考えつつ

私たちは小学生のもどり
交換日記のようにメールを送りあったり
夜中に携帯に連絡したりするのだ

こりもせず 笑いのなかで


自由詩 「連絡をください」 Copyright 服部聖一 2015-03-17 20:58:01
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