イクメンには届かない
朝焼彩茜色

帰宅すると妻がキレていた
子供が泣いている 上手にお座りしながら

帰りが遅いとキレていた
仕方のない理由 会議とラインしたが既読スルーだった
育児中のストレスを二人で割っているつもりだけれど

帰宅すると妻がキレていた
猫のトイレを片づけながら 苛々の風圧を向けてくる
言葉を交わすことのできる空気清浄器が必要だ
妻の声のトーンは低い

 わたしはお風呂を洗い 溜め 子供をお風呂に入れる
 さっきまで泣いていた子供は わたしの魔法の湯船で
 上機嫌になる 妻より上をいく部分だ お風呂係だから

 空気清浄機が効いてきた頃 
 前髪だけ乾かした妻がお風呂上がりの炭酸水甘味なしを飲み
 昼間の出来事をタタタタタタタと喋り出す 
 女は良く喋る 半分聞いて
 育児のストレスも二人で半分・・・のつもりだけれど

 おっぱいねんねしてくる
 と言われると

 どうにもこうにも負けた感がある
 だから わたしは皿を洗わなければならない

 言われる前にしなければならない

 なぜならば いつの間にまたキレるから
 



自由詩 イクメンには届かない Copyright 朝焼彩茜色 2015-03-17 16:33:47縦
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