福島のあけぼの〜その瞳をみていたら〜より
黒木アン

三万年という
長い永い
道の歴史に

至大の古に

累およぼして

端厳な尊容の像より
悲泣の声が
きこえるようで

人界に
何を望み
伝えたいのだろうか

せいぜい生きて
百年の生が
せいぜい動いた
何十年かの推断で

三万年に

何をしたのか
何をしようと
しているのかと

前非を悔いたり
しないのかと

伝えたいのかも
しれなくて


人は心をこめて
さようならを
いえるのに

さようならと
いえるのに……


自由詩 福島のあけぼの〜その瞳をみていたら〜より Copyright 黒木アン 2015-03-10 08:06:55
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