草野春心



  さむい納屋のなかで 菫色の図形が
  次第に数を増していく 害のない菌のように
  いつしか 石塀から剥がれおちた 西陽のつくるあなたの影
  それは いつまでも 母屋の外に置かれた
  みえない椅子に腰かけている




自由詩Copyright 草野春心 2015-02-22 08:49:48
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