ふるえ ひかり
木立 悟





耳で辿る
穂に隠された洞の入口
別れのような仕草が灯る
風を迎える羽も一緒に


重さも無く
積もる連なり
こぼすことなく
こぼれるあかり


浪の指揮者が浪に呑まれ
つづいてきたものが途切れるとき
常にそこに居たものたちが
ある日ふいに消え去るとき


午後は緑 午後は金
重なることで見えなくなり
はざまに虹を巡らせながら
ところどころ破けた姿を横たえる


また雨が来る 雨が来る
言葉の子も雪の子も
じっと目をつむり
滴の骨のふるえを聴く


花のなかに眠る頭
散る白に染まる石の白
自らの羽を数えながら
姿のない浪は繰り返し来る


疲れることも
尽きることもなく呼びつづけている
何のためなのかわからぬまま
透明は透明を集めつづける



























自由詩 ふるえ ひかり Copyright 木立 悟 2015-02-20 13:02:54
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