見届け人
余韻

2015.1.29.

君にそう見えた君にはそう思えた ただそれだけなんだろう
僕には少し分かる ほんの少しだけど わかりたくはないんだけど

どうしてこうもまとわりついてくる?
悲しみの飼い主になったつもりはない
抱き抱えたら張り裂けそうになってしまったものを
どうせならと看取ってやろうとしただけさ

どこからか匂ってくる 僕の意識に入り込んでくる
つましい現実に覆い被さって甘く苦い幻想

実生活はどっちなんだろう? 
息継ぎのためだけに顔を出してるような気もしてる
面と向かってあなたと精神の食事がしたいな
子供みたいにフォークとナイフを両手に持って

すべてが語られることはない そんな時間はない
絶望の果てに辿り着いたものの どうやら集合時間を間違えたみたいだ
君は間に合ったのだろう

どうしてか勇姿にもなりかわる
讃えるとは祈るとは懺悔だ
きっとこんな僕の身代りになってくれた君を
できるだけ見届けてやりたいと思ってさ


自由詩 見届け人 Copyright 余韻 2015-02-15 18:53:45
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