ファッキン
吉岡ペペロ
この町にはずっと海の音が聞こえていた
ざらついた時間のようだった
意味のない切実な話し合いのようだった
もちろん安らかなまどろみのようでもあった
帰還兵に銃剣を突き付けられていた
単細胞でか弱い帰還兵だった
彼は先に帰還したぼくにファッキンばっかり言っていた
あんなにひとの死ばかりを見つめていると
それがぼくの命を代替えしてしまう
軍がくれた車でサーフィンにでも行こうか
この町にはずっと海の音が聞こえていた
ざらついた時間のようだった
意味のない切実な話し合いのようだった
もちろん安らかなまどろみのようでもあった
帰還兵に銃剣を突き付けられていた
単細胞でか弱い帰還兵だった
彼は先に帰還したぼくにファッキンばっかり言っていた