ファッキン
吉岡ペペロ

この町にはずっと海の音が聞こえていた

ざらついた時間のようだった

意味のない切実な話し合いのようだった

もちろん安らかなまどろみのようでもあった

帰還兵に銃剣を突き付けられていた

単細胞でか弱い帰還兵だった

彼は先に帰還したぼくにファッキンばっかり言っていた


あんなにひとの死ばかりを見つめていると

それがぼくの命を代替えしてしまう

軍がくれた車でサーフィンにでも行こうか


この町にはずっと海の音が聞こえていた

ざらついた時間のようだった

意味のない切実な話し合いのようだった

もちろん安らかなまどろみのようでもあった

帰還兵に銃剣を突き付けられていた

単細胞でか弱い帰還兵だった

彼は先に帰還したぼくにファッキンばっかり言っていた










自由詩 ファッキン Copyright 吉岡ペペロ 2015-02-15 12:08:46
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