二段ベッドの下
灰泥軽茶
時々思い出す
二段ベッドの下のうすい隙間に
うつ伏せになって潜りこんでいたこと
とても気持ちが落ち着きほっとする
目を細めると
奥の奥へその先があるような
私はぺらんぺらんになって
目と耳と感触が床を這って
壁をつたい窓の隙間から外へ出る
誰も私に気づかない
ベランダから屋根に昇って
たたんと助走ゆっくり滑空し
風に乗って舞いあがる
さあどこへ行こうか
誰も私を知らない場所へ
行ってみたいと
わくわくしていると
うっすら泡のような
光が洩れてきて
もこもこともこもこと
ゆっくり今の私が姿を現し
あぁそういえばここにいたのだ
はっとする