たいこまんじゅう
灰泥軽茶

それは今川焼や大判焼と呼ばれるもの

その店というか屋台のような小屋
初老のおじさんとおばさんが
たこ焼きとたいこまんじゅうを売っている

一個八〇円するけれど
いつも五〇円になったり
黒餡より白餡が好きなのでと注文すると
あんまり作らないからできたてじゃないよと
一個おまけしてくれたり
お代が百万円だったり
おじさんの愛嬌がなにより

あんがたっぷり入っていて
ひとかじりすれば
私のこめかみから
あんがとろりとこぼれ出て
日々心のささくれも忘れてしまい
朗らかに咀嚼する





自由詩 たいこまんじゅう Copyright 灰泥軽茶 2015-01-30 22:06:27
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