影踏み
梅昆布茶
今日も街を行き交うひとびとの影を踏んで歩く
一瞬にして微塵に還るもの
止めどなく細く長く伸びるもの
軽く薄く風に舞うもの
ときどきそれさえも無い人に出会うが
それも街の雑踏の風景の一部に組み込まれて行く
人はそれぞれ自分の言葉という特別なコードをもつという
たぶんそれは存在と繋がっていて
そのほつれの一端から紐解いて行くことでしか
その人に近づいて行くことはできないのかもしれない
影は夕暮れちかくには混ざり合いひとつの闇となって
この夜を形成するものか
やがて朝露とともにそれぞれの居場所へと
戻るものだろうか
ざわめきや願いや恐れの影に雪が降りつもる
やがて影の無い白い世界が現出するまで
そんな夢を見た