悲しみまでも どこかよそよそしく 荒ぶ冬の 窓際に飾った クロッカスに宿る 想いを晒すように 萎れた花弁を千切るとき 浮かんでくるのは たった五文字の 届かなかった言葉さえ 享受する 小さな容に 口付けて 触れた部分から広がる なぐさめを 拒みきれずに 風に泣かされる 硝子にそっと 爪を立てる