不思議な街のあるみ
あるみ

不思議な街に来た

こんにちは と言うと
こんにちは と言う

道を尋ねると
教えてくれる

横断歩道を渡る子供
それを追う母親
車両から覗く舌を出した犬
コンクリートの隙間から
力強く這い出した タンポポ

守るものがおなじだ
願う瞳がおなじだ

荷物をおろして見上げると
空の色も 雲の流れも
同じだった

たったこれだけのことに
14年もかかった
14年も 気がつかなかった

誰でもいいから つかまえて
謝りたくなった あるいは
自分自身に
謝りたくなった

呆然

















自由詩 不思議な街のあるみ Copyright あるみ 2015-01-22 00:21:35
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