葉leaf




全ての絵の具を混ぜると黒になるように
全ての人間の一日を混ぜ合わせると闇が出来上がる
光は失われたのではなく
闇を構成する一つ一つの物質の内側に
焼けそうなくらい熱しながら輝き続けている
この何も見えない闇の風景において
物質たちは外側を照らすことをやめて
内側を照らし出し自らを反省する
植物が光合成と呼吸を切り替えるように
人間の一日はもはや原形をとどめない
どんなに栄光に包まれようと
どんなに失敗で色褪せようと
人間の所業は全て闇の中で等しい
それは無化でも救済でもなく
世界の短期的記憶は一日でいっぱいになるので
その記憶を整理し圧縮し
やがて来る明日のために世界の記憶を空にする必要がある
この単なる世界の情報処理のために闇は訪れ
それでも人間の中では一日は終わらない
この闇の機械的な情報整理の前で
人間は他の人間と等しくなってしまうことによって
全ての生気が吸い取られ静かな悟りが訪れ
それでも一日の禍々しい光が内側を照らし続ける
闇の中で人間は
内側を跳ね回る個性的な本能たちと
腹を割ってゆっくり話し込み
明日へ向かう序奏曲を狂おしく奏でているのだ


自由詩Copyright 葉leaf 2015-01-18 04:29:05
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