アソコ伝ワールドプレミアム
花形新次

アサスヒンという瓦版屋が
タマンキの風刺画を
町角に張り
立ち止まって見入る
人びとに
「タマンキはキンタマに金を貯めこんでいる」
と吹聴した
絵のタマンキはキンタマが丸々と太り
金色に輝いていた

それを聞いた弟子の
爆弾兄弟バクダンジャーが
我らが救世主で最後のジャーパの王である
タマンキ様を愚弄するとは
生かしてはおけないと
ビックカメラで買った小型核兵器を持って
アサスヒンに殴り込もうとした

タマンキはその姿を見咎められ
爆弾兄弟にこう話された

「私を愚弄し、貶める者こそ
救われなければならない存在だ
私はその者を憎まないばかりか
その者のために次の満月まで祈ろうと思う

一方、私に猫なで声で近づいて来る者は
鞭打たれ、ローションを塗られ、
バイブ地獄に逢い、一生這い上がることは
出来ないであろう」

「ふーん、そういうことか」
「おっさん!」
「おっさんだよな」
「何だ、いきなり、爆弾兄弟」
「うるせえよ、誰に口きいてんの、おっさん」

ワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナ

「ゆるさあああん、おまえら二人とも羊じゃ
羊たちのチンカスに変身じゃああああ!」

ギャア、クッ、クッサアアアアア!


自由詩 アソコ伝ワールドプレミアム Copyright 花形新次 2015-01-15 20:54:57
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