唯一の
ふわふわ

反発しあう網膜剥離
浮遊した視力は宇宙に飛散して
リベラルな学問となる日中の情事
いわゆる貧困女子と言われる私は
全くもってわからない処女をたぎらせる
蜜を育て吐き出す身体は非常に不器用に曲がり
ぶきりの兵隊になって酷く軋んだ

欠伸をする猫に囲まれ私ははっとする
目覚めたらここは楽園だった
猫たちは呆れたように(何も分からないふうに)鳴く
それは冷たい慰めとなり
私を突き放す
列車が通るのだ
ここはそれだから居てはいけない
退屈の檻と化した私の洋服

母の痴呆を夢に見て
保守的になろうかなるまいか
惑い恐れる
私は尿を拭えるか
モネの美しい苦しみと母の老い
同等であってほしいと言うのが唯一の私の


自由詩 唯一の Copyright ふわふわ 2015-01-12 17:13:51
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